技術トレンドから見るコンサルタントの専門領域

ITコンサルタントが扱うテーマは、技術の進化とともに広範かつ多様になっています。全ての領域を網羅することは現実的ではなく、自身の核となる専門分野を持つことが、市場で高い価値を発揮するための鍵となります。
現代のあらゆるビジネス変革の基盤となっているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進です。その中核技術であるクラウドコンピューティングに関する知見は、今や多くのコンサルタントにとって不可欠な知識といえるでしょう。

近年では、人工知能(AI)をビジネスにどう活用するかというテーマが、業界を問わず主要な経営課題となっています。AI導入による業務プロセスの自動化や、データ分析に基づく新たな顧客体験の創出など、その活用可能性は無限です。
ITコンサルタントは、技術的な側面だけでなく、企業のビジネスモデルに即したAI戦略の策定を支援する役割が期待されます。また、企業の重要資産である情報を守るサイバーセキュリティも、極めて専門性が高い領域であり、リスク管理という経営視点からのコンサルティング需要が年々高まっている状況です。

企業の課題は複雑に絡み合っているため、単一の専門知識だけで解決できる事案は多くありません。例えば、基幹システム(ERP)をクラウド環境へ移行するプロジェクトでは、ERPとクラウド双方の深い知識が求められるでしょう。
AIを活用したデータ分析基盤を構築するには、AIとデータサイエンス、両方のスキルが必要となります。このように、自身の専門領域を深く追求すると同時に、関連する技術トレンドへもアンテナを張り、知識を掛け合わせていく姿勢が、これからのITコンサルタントには不可欠になっていくと考えられます。